
アバターの表情や見た目への拘り
このブログを書いている私(早川)は、FrameVRを使ってたくさんの人と仮想空間の中で会話をしてきました。
仮想空間の会議に興味を持っていただき、半年以上、定期的に会議を続けている人もいれば、その逆にFrameVRをやめた人もいます。以降、仮想空間では会議を行わないようにした人も一定数います。
前回までのブログでは、主にFrameVRの特長(選ぶ理由)を書いてきましたが、”良いことしか言わない人はあまり信用できない”という私の信条(!?)に基づき、敢えて今回は「FrameVRをを選ばない(好まない)理由」について正直にお伝えします。
そもそも、仮想空間プラットフォームはもとよりオンライン会議をあまり好まない人は、それはそれとしてひとまず置きます。FrameVRに肯定的な人でも、会議の際に、数人から「違和感」を指摘されました。ご本人が「FrameVRは選ばない」と言い切った訳ではありませんが、オンライン会議の目的や用途にも絡んで「アバターの見た目」に困惑されているようすでした。
そこで、以下にFrameVRを選ばない理由を述べます。
●選ばない理由その1
アバターだと表情がわからない。
ある業界のコンサルタントであるAさんは日頃、主に1対1でオンライン会議をしており、通常はお互いにカメラをオンにして「顔出し」しているとのことでした。相手が初対面の方であろうと良く知っている方であろうと、実際の表情の変化を確認しながら話すことに意味があるとのこと。
FrameVRのアバターは時々勝手に瞬きやウインクをしますが、話の内容や話す本人の表情(感情)がアバターに連動しているわけではありません。そのため、Aさんに対してFrameVRのカスタマイズはお勧めしませんでした。Aさんのオンライン会議は、これまで通りビデオ会議ツールを使うのが現実的だと思ったからです。
●選ばない理由その2
アバターへの違和感。
IT企業の管理部門で働くBさんや、別のIT企業の研修事業部門で働くCさんのケース。オンライン会議の相手が顔出しを嫌がるケースが多いそうで、アバターの利用自体は賛成でした。
ただし、「見た目」には拘りがあって、カスタマイズしても自分に似ないアバターには違和感や抵抗感があるとのこと。
残念ながら、利用者に似せたアバターの作り込みは現時点のFrameVRでは未対応です。どうしても自分の見た目そっくりのアバターを作りたいなら、別の仮想空間サービスと契約するしかありません。3Dスキャナに自らが入って写真を取り、そこで生成されるアバターを読み込ませる方法を使う仮想空間サービスです。また、豊富な種類の中から自分の顔イメージに近いアバターや、自分の嗜好に合ったアニメやゲームのキャラクター的なアバターを選べる仮想空間サービスもすでにあります。ただ、お気に入りのアバターが使える代わりに仮想空間に当てはめるまでの時間や手間が増えます。それに、ゲームキャラでは流石にビジネスシーンに使いづらいでしょう。
Bさんは準備ステップを軽くしたいのと、仮想空間のカスタマイズにも興味があるとのことでした。「そもそも、なぜアバターの顔を自分に寄せたいのか?(そんなに自分好きだった?)」といったような議論をしながら、Bさんが仮想空間で表現したいことやFrameVRのカスタマイズ機能・操作方法についての情報交換を続けています。
ちなみに、Cさんはアニメ好きでゲームが趣味ということもあり、小学生の塗り絵のようなアバターしか使えないFrameVRは嗜好に合わないかもとのことでした・・・。
では、なぜ、そんなFrameVRのアバターがいいのかは次回のブログで解説します。

FrameVRのアバターカスタマイズ機能と補助的機能
FrameVRのアバターをデザインする機能をいくつか紹介します。Aさんや、Bさん、Cさんが求める機能イメージとは違うかもしれませんが、補助的もしくは代替手段として利用できるものです。
- アバターカスタマイズ機能(上記「左」イメージ参照)
現状、次のカスタマイズが使えます。調整できる項目や選択肢は限られていますが、調整の組合せにより他者との「丸かぶり」は十分に避けられます。
・Skin Tone(肌の色) ・・・ 全4タイプ
・Eye Color(眼の色) ・・・ 全5タイプ
・Body Color(身体/服の色) ・・・ タイプ多数(微調整が可能)
・Hair Style(髪型と帽子) ・・・ 全46タイプ
・Facial Hair(ひげ) ・・・ 全5タイプ
・Hair Color(髪の毛の色) ・・・ タイプ多数(微調整が可能)
・Hat Color(帽子の色) ・・・ タイプ多数(微調整が可能)
・Glasses(メガネ) ・・・ 全7タイプ
・Glass Color(メガネの色) ・・・ タイプ多数(微調整が可能)
・Ear rings(イヤリング) ・・・ 全9タイプ
- 感情ビーム(絵文字)機能(上記「中」イメージ参照)
アバターの表情をコントロールできない代わりに、ユーザの意思でその時々の感情を仮想空間に放つことができます。現状、全9タイプの感情(絵文字)が用意されています。
- アバターカメラ機能(上記「右」イメージ参照)
どうしてもリアルの表情を見たい(見せたい)場合は、自分のアバターの横にカメラに映る実際の顔を映し出すこともできます。このカメラ映像枠はアバターと一緒に仮想空間の中を動きます。
FrameVRのアバターくらいがちょうど良いケース
FrameVRのアバターはとてもシンプルな作りです。アバター(=自分の分身)なのに自分の見た目に寄せられないの? と聞かれると少し耳が痛いです。FrameVRは、シンプルで自分には似ていないけれど、他の人とは「丸かぶり」しない程度のアバターが、むしろよい(都合がよい、ちょうど良い)シーンに使うのです。
まずアバターの見た目と実際の姿・外見を切り離すことで互いに素で話しがしやすくなります。結果として集中して会話することができ、個性や本心が前面に出てくる可能性が高まります。利用シーンとしては以下のイメージです。
・初対面または知り合って間もない者同士の会話シーン
・匿名性がずっと続く状況よりも、本人が特定されにくい状況から開始し、会話の機会が増えるに連れて徐々に本名を明かしていくような利用シーン
・1対1の閉じた空間というよりも、同じ空間に他にも人がいるシーン
・例えば社内外を問わず、お互いのことをよく知らない者同士でディスカッションするような研修やイベントでの利用シーン
なお、別の記事「オンライン研修とバーチャル研修」の中でもバーチャル研修のメリットとして、アバターの意義である「平等性」について触れられていますので参照してみて下さい。< https://www.soeiken.net/News/view/soeiken/10 >
FrameVRのアバター(見た目)とアバター関連の機能について アバター FrameVR
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仮想空間プラットフォーム「FrameVR(FRAME)」の特徴
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2021-11-8
前回は、内定者フォローのためのオンライン研修「バーチャル3D空間 SDGsクエスト」の実行環境としての「FrameVR」を紹介した。選択した理由は「適切なテンプレートが用意されていること」と「空間カスタマイズの余地があること」の2点である。 詳細は < https://www.soeiken.net/News/view/soeiken/8 >。 今回は「FrameVR」とはなにかの基本情報を記したい。 FrameVRは、アメリカのIT企業Virbera社 < https://www.virbela.com > の研究チームが開発している仮想空間プラットフォームである。現在はβ版のテスト運用であり、近いうち正式リリースが予定されている。 FrameVR(正式名は「FRAME」)のホームページ < https://learn.framevr.io > には「Webブラウザーから直接、3D環境でのコミュニケーションとコラボレーションが容易になります(原文は英語)」と記されている。 稼働環境は以下のとおりである。 ・Webブラウザーとインターネット環境 → 利用者側の端末に専用アプリケーションは不要である。 ・マルチデバイス対応 → パソコン(Windows、Mac)、スマホ/タブレット(Android、iOS)、またはVRゴーグル(Oculus)が使える。 ・基本機能のみ利用ならアカウント登録不要 → URLさえ知っていればFrameVRユーザアカウントを作成しなくてもよい(デモを見せたいときは、匿名ゲストを受け入れるような使い方も可能)。 繰り返しになるが、専用アプリケーションのインストールが不要であり、かつVRゴーグルがなくても3D仮想空間上でアバターを動かせるツールは今日時点では少ない。その上、ノンプログラミングで個別の用途や目的に照らし合わせた「空間カスタマイズができる」のがFrameVRの特長なのだ。
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研修でFrameVR(FRAME)を選ぶ理由=仮想空間のカスタマイズが決め手
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2021-12-9
FrameVRの開発元企業のプロジェクトリーダーは元教師です。FrameVRを使って欲しい相手は教師や講師をはじめ、企業の人事部の研修担当者など人材育成に関わる人たちです。 仮想空間での授業や研修をより効果的に実施・運営したいと願う人たちに対して「自ら、より手軽に、意思を表現できる」場と道具を提供したい。近い将来の人材育成の場になるだろうから。 FrameVRにはそうしたポリシーが貫かれているのです。彼のこれまでの発信内容や提供されてきた空間テンプレートをみればそれは明らかです。 さて、前回までのブログでFrameVRの強みや選択した大きな理由として、「適切なテンプレートが用意されていること」と「空間カスタマイズの余地があること」の2点を挙げました。今回のブログでは空間カスタマイズの余地についてお伝えします。 世の中には仮想空間を構築・カスタマイズできる開発ツール類は様々あります。 その開発ツールの中でもFrameVRは、ノンプログラミングでありながら空間カスタマイズの自由度で一歩リードしています。 以下、ざっくりと、世の中にある「手軽な」仮想空間プラットフォームをカスタマイズの観点で4つに分類してみましょう。 ※高度な技術知識を持っている特定の人たちだけが使える開発ツール類と、アバター関連のカスタマイズ機能に関しては対象から外します。 ◆仮想空間プラットフォームのカスタマイズ4分類 (1)そもそもユーザ(管理者アカウントも含む)は空間をカスタマイズできない(=仮想空間に入り、空間内に予め用意されているツールやオブジェクトを利用するだけ) (2)ユーザ(同上)は空間の「見た目」を少しだけ変更できる(例えば、決められたスペースに画像を貼り付けて、「見た目」を変更する程度) (3)ユーザ(同上)は空間を自由に「デコレーション」できる(ただし、オブジェクトを配置するだけで「見た目」の変更に留まる) (4)ユーザ(同上)は様々なオブジェクトを空間に配置し、さらにオブジェクトに「動作(イベント)」を設定できる(=「見た目」に留まらず、空間内の「動線」もデザインできる) FrameVRは上記(4)に該当します。「見た目」のカスタマイズに留まらず、空間をコンテンツ(伝えたい中身)に近づけるカスタマイズこそが重要なのです。つまり、教育(人材育成)の利用シーンでは、講師が受講者に対し、知識と体験、気づき、ヒント(きっかけ)を与えられるチャンスが増えるからです。
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ロジカルシンキングが行き着いたマニュアル至上主義の弊害
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マニュアル至上主義の弊害をお話する前に、そもそも論の話をしましょう。 交通ルールを例に取りましょう。 そもそも、車が一台も通っていない誰もいない歩道なら、信号無視してもいいんじゃない? ということです。 信号ってそもそも、どういう目的であるのかを考えれば良いのです。 交通ルールを守るため? ……じゃないです。 ルールを守るのは、事故を起こさないためです。
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経営者の視点と社員の気付きの違いについて。 かれこれ30年以上も昔の話です。 当然のことながら昭和と令和の時代によって働き方に違いはあります。 現在の常識とは違っているでしょう。 その差異を踏まえて、ここでお話するエピソードが、あなたの仕事の参考になるかならないかを取捨選択して読んでください。 私の務める会社では、一週間に2回位、午前中だけ出社する通称「ゴルフおじいさん」がいました。 ゴルフおじさん。 普段は何をやってるかと言えば、他社の人とゴルフです。 当時の私は20代でしたから、おじいさんといっても50代だったのかもしれません。 ゴルフ焼けでしょうか、黒い顔で専用のデスクで新聞やら雑誌を読んで、会社のおエライさんと雑談してお昼を食べて帰るのです。 仕事といえば、これだけです。当時の私から見れば、サボっているようにしか見えません。