
ゴルフおじさんの話
経営者の視点と社員の気付きの違いについて。
かれこれ30年以上も昔の話です。
当然のことながら昭和と令和の時代によって働き方に違いはあります。
現在の常識とは違っているでしょう。
その差異を踏まえて、ここでお話するエピソードが、あなたの仕事の参考になるかならないかを取捨選択して読んでください。
私の務める会社では、一週間に2回位、午前中だけ出社する通称「ゴルフおじいさん」がいました。
ゴルフおじさん。
普段は何をやってるかと言えば、他社の人とゴルフです。
当時の私は20代でしたから、おじいさんといっても50代だったのかもしれません。
ゴルフ焼けでしょうか、黒い顔で専用のデスクで新聞やら雑誌を読んで、会社のおエライさんと雑談してお昼を食べて帰るのです。
仕事といえば、これだけです。当時の私から見れば、サボっているようにしか見えません。
ゴルフおじさんは接待も仕事?
このおじいさんの出番は、主に土曜日です。
お客さんとゴルフ接待に遊びにいくのです。
当時は週休二日は今ほど定着していません。
土曜日は半ドンといって昼くらいで終わりで帰れます。
なのに、おじさんのゴルフがあるときは、ゴルフシューズについた土を水洗いしたりと後始末があるので、おじいさんの帰りを待たなければなりませんでした。
会社のお金でゴルフにいって、社員を帰らせずに待たせているのところも不満でした。
携帯電話なんてありませんから、いつ帰ってくるのか? 待つこと自体がストレスでした。
また別のときは、夜の接待で料亭までお供しなければならないのです。
料亭では手の混んだ料理を前に手を付けられずに、お客さんのお酌が役目です。
二次会では会員制クラブに。
花がいっぱい飾られていて、ピアノの弾き語りが流れている高級クラブです。
これで、ようやく終わりです。
三次会ではありませんが、接待が終り、反省会と称する屋台ラーメンでの雑談。
すでに午前2時くらい。
平日ですから、翌朝の仕事は辛いわけです。
ゴルフおじさんの正体
私自身は、ゴルフ接待には同行することはありませんでした。
「打ったら走るゴルフ」と命名されるほどむちゃくちゃに下手だったのです。
おかげでゴルフ接待のときは、ゴルフが上手い社員が同行することになっていました。
ゴルフ上手の社員によれば、お前は連れていけない。
その理由がすごい。
レベルによってギリギリのスコアでお客さんが勝てるように、接待ゴルフだとさとられないように、不自然に負けただろうと思われない程度の実力が必要だとか。
もっというと、お客さんから見て良い勝負になるように、気持ちよく勝ってもらうようにスコアを調整できる能力がないとダメとのことでした。
ゴルフおじさんといえば、会社がお金を出している新聞や雑誌を読んで、ゴルフして飲み食いしている。
こんな人を雇っても無駄にしか思えません。
ゴルフに飲み食いなんて遊びですから、仕事を言い訳にしているとしか思えません。
おじさんの遊興費のお金を若手の給料に回してくれと思いました。
その時は。
でも、あとから、このおじいさんこそが、仕事をとってきているのだわかりました。
このおじいさんが、仕事を会社に紹介していたのです。
おじさんの正体は、いまの言葉でいうコンサルタントです。
机上の空論で難しい理論を説明するタイプのコンサルタントではありません。
他社との相性を考慮して、お金になる仕事を紹介してくれるのです。

世間知らずだった私には衝撃的な気付き
この気付きは、衝撃でした。
理解したことは、経営者の目線と一般社員の目線で映る景色の違いです。
山登りに例えてみましょう。
一般社員は、とくに新人社員は山の麓(ふもと)しか見えません。
一般社員の目線だと目の前の仕事をこなすことで目一杯です。
前を見ると長い坂道があるだけで、頂上付近(社長や専務がどんな仕事をしているか)はよく見えない。
後ろを振り向いても、あまり変わらない日常の連続です。
これが登る(出世)に従っていろいろなものが見えてきます。
山の中腹まで来ると、突然に視界がひらける。
地上がよく見えると、あの道はあそこにつなげると近道ができそうだ。など将来の構想が見える。
それだけではなく、あのクルマは、あぶない運転をしている。このままだと事故を起こしそうだ。
運転している社員(お客さんに迷惑をかけそうな仕事をしている社員)には、事故を起こす前に注意しなきゃなという状況がリアルタイムも見える。
これが上司になった時の目線というわけです。
大会社の重役ともなれば、山頂も高くなる。
うんと高い山からだと景色はより遠くまで見えます。
高いところに登った(重役に昇進した)、だからといって良いことだけではありません。
山が高すぎると地上が小さすぎて見えなくなってしまうのです。
だから会社の重役は自分自身の望遠鏡を持つか、中腹や地上の人たちとの連絡を密にしなければならない。
視点の高さによって、見える範囲は変わってきます。
経営者に近くなれば、会社の方針をどうするか考えなければなりません。
会社を大きくするのか、現状を維持するのか。
闇雲に大きくするとどこかが歪みます。
歪みが大きく破れないように、バランスを考えて大きくしなくてはならない。
ゴルフおじさんの目線は、絶え間なく会社に仕事を持ってくるのが役割となります。
できるだけ、社員には手間を掛けずに儲かる仕事を持ってこられるように常に考える。
けっこう大変な仕事だったのだたと思いますが。
まとめ
一般社員は目の前の仕事しか見えない
上司は広い視野が必要
重役になったら現場が見えるように工夫する
経営者の視点と社員の気付きについて 社員の気付き 経営者の視点
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ラテラルシンキング新入社員研修
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前回は、内定者フォローのためのオンライン研修「バーチャル3D空間 SDGsクエスト」の実行環境としての「FrameVR」を紹介した。選択した理由は「適切なテンプレートが用意されていること」と「空間カスタマイズの余地があること」の2点である。 詳細は < https://www.soeiken.net/News/view/soeiken/8 >。 今回は「FrameVR」とはなにかの基本情報を記したい。 FrameVRは、アメリカのIT企業Virbera社 < https://www.virbela.com > の研究チームが開発している仮想空間プラットフォームである。現在はβ版のテスト運用であり、近いうち正式リリースが予定されている。 FrameVR(正式名は「FRAME」)のホームページ < https://learn.framevr.io > には「Webブラウザーから直接、3D環境でのコミュニケーションとコラボレーションが容易になります(原文は英語)」と記されている。 稼働環境は以下のとおりである。 ・Webブラウザーとインターネット環境 → 利用者側の端末に専用アプリケーションは不要である。 ・マルチデバイス対応 → パソコン(Windows、Mac)、スマホ/タブレット(Android、iOS)、またはVRゴーグル(Oculus)が使える。 ・基本機能のみ利用ならアカウント登録不要 → URLさえ知っていればFrameVRユーザアカウントを作成しなくてもよい(デモを見せたいときは、匿名ゲストを受け入れるような使い方も可能)。 繰り返しになるが、専用アプリケーションのインストールが不要であり、かつVRゴーグルがなくても3D仮想空間上でアバターを動かせるツールは今日時点では少ない。その上、ノンプログラミングで個別の用途や目的に照らし合わせた「空間カスタマイズができる」のがFrameVRの特長なのだ。
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FrameVRの開発元企業のプロジェクトリーダーは元教師です。FrameVRを使って欲しい相手は教師や講師をはじめ、企業の人事部の研修担当者など人材育成に関わる人たちです。 仮想空間での授業や研修をより効果的に実施・運営したいと願う人たちに対して「自ら、より手軽に、意思を表現できる」場と道具を提供したい。近い将来の人材育成の場になるだろうから。 FrameVRにはそうしたポリシーが貫かれているのです。彼のこれまでの発信内容や提供されてきた空間テンプレートをみればそれは明らかです。 さて、前回までのブログでFrameVRの強みや選択した大きな理由として、「適切なテンプレートが用意されていること」と「空間カスタマイズの余地があること」の2点を挙げました。今回のブログでは空間カスタマイズの余地についてお伝えします。 世の中には仮想空間を構築・カスタマイズできる開発ツール類は様々あります。 その開発ツールの中でもFrameVRは、ノンプログラミングでありながら空間カスタマイズの自由度で一歩リードしています。 以下、ざっくりと、世の中にある「手軽な」仮想空間プラットフォームをカスタマイズの観点で4つに分類してみましょう。 ※高度な技術知識を持っている特定の人たちだけが使える開発ツール類と、アバター関連のカスタマイズ機能に関しては対象から外します。 ◆仮想空間プラットフォームのカスタマイズ4分類 (1)そもそもユーザ(管理者アカウントも含む)は空間をカスタマイズできない(=仮想空間に入り、空間内に予め用意されているツールやオブジェクトを利用するだけ) (2)ユーザ(同上)は空間の「見た目」を少しだけ変更できる(例えば、決められたスペースに画像を貼り付けて、「見た目」を変更する程度) (3)ユーザ(同上)は空間を自由に「デコレーション」できる(ただし、オブジェクトを配置するだけで「見た目」の変更に留まる) (4)ユーザ(同上)は様々なオブジェクトを空間に配置し、さらにオブジェクトに「動作(イベント)」を設定できる(=「見た目」に留まらず、空間内の「動線」もデザインできる) FrameVRは上記(4)に該当します。「見た目」のカスタマイズに留まらず、空間をコンテンツ(伝えたい中身)に近づけるカスタマイズこそが重要なのです。つまり、教育(人材育成)の利用シーンでは、講師が受講者に対し、知識と体験、気づき、ヒント(きっかけ)を与えられるチャンスが増えるからです。
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