マニュアル至上主義の弊害  ラテラルシンキング マニュアル

まずは、良くある質問から。

質問
ラテラルシンキングって、新しい概念ですよね?

答え
いいえ。 日本人が昔から好きな考え方です。


ひらたくいうと、頓智(とんち)です。

一休さんとか、大岡越前、小さなバイキングビッケとか、
音楽好きの人ならR.シュトラウスのティル・オイゲンシュピーゲルの愉快なイタズラとか。

古今東西に存在する話です。

一休さんで有名なのは、この橋通るべからずという意地悪されたら、
堂々と橋の真ん中を通るという、あの話です。

前提を一切忘れて、最終的には「どうなっていれば良いのか」を考えるのです。

ルールを厳格に考えて(自主規制)までしてしまう人から見ると「ずるい考え方(チート)」といわれます。

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交通ルールを例に取りましょう。

そもそも、車が一台も通っていない誰もいない歩道なら、信号無視してもいいんじゃない? ということです。

信号ってそもそも、どういう目的であるのかを考えれば良いのです。
交通ルールを守るため?
……じゃないです。
ルールを守るのは、事故を起こさないためです。

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目的を忘れてルールを守って、おかしい行動になる例を挙げます。

ある、大型量販店でこんな話がありました。
まだ、携帯電話が普及していない頃の話です。

来店しているお客様のお子さんが急に熱が出たので、店の電話を借りたいという申し出がありました。
しかし、量販店のマニュアルには、お客様に電話を貸すことはできないことになっています。

携帯電話も普及していない頃ですから、長距離電話も高いわけで、店にわざわざ長距離電話を借りに来るずうずうしいお客様もいたのです。


そんなことを防止するマニュアルだったのでしょう。

お子さんが熱を出してというケースは例外事項です。
ところが、マニュアル至上主義だと、マニュアルに載っていないことを実施するとペナルティになります。
というか、上司も判断ができないので「とりあえず減点しておく」という考えになります。

だから、(減点を恐れて)電話を貸さなかった。
そもそも、「なぜ店の電話を貸さないか」という本質を考えなかったのです。

この話は、後にお客様から本部に電話がかかってきて発覚しました。
量販店では、お客様からの一報があってマニュアルを見直すこととなりました。

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マニュアル至上主義の弊害

ひるがえって、現在の日本ではこのマニュアル原則至上主義がまかり通っています。
マニュアルがなければ判断が付かない。

法律もマニュアルの一種と考えれば、昨年の「焼肉店が生レバー提供すると違法」というところまで来ています。
そんなの何十年も提供しているのだから、注文するお客の判断に任せればいいじゃないかと思います。
とはいえ、それは許されない。

たしかに、マニュアル通りだと正しいから安心、でも、心には何か引っかかる。

法律とまで行かなくても、フランチャイズで採用されているマニュアルは、
いわば、ロジカルシンキングの賜(たまもの)です。

マニュアルによって、考え方が違う人が集まっても均一の統制が取れた考え方ができます。
常にPDCAサイクルを回しつつロジカルシンキングで問題点を消して効率化してゆく。
だから、チェーン店ではマニュアルを作り込むことで、どの店に行っても均一のサービスが受けられるのです。

しかし、例外を認めてしまうと分岐が多すぎて対応できない。
たくさんの例外は、ロジカルシンキングには適さないのです。

マニュアル至上主義の弊害  ラテラルシンキング マニュアル

ロジカルシンキングとラテラルシンキングはバランス

例外行動はマニュアルの見地から見れば悪です。

そうはいっても、例外はでてきます。
この辺がどうしてもマニュアルの限界。

だから、先の例ではお客様には一切、電話を貸さないという「行動」で縛ってしまう。

この例外に対処する思考法は、ラテラルシンキングです。

なんでも決まりだからといって例外を許さないとモヤモヤが残ります。
例外を許さないのなら、機械で良いわけで人間は存在する意味がありません。
なにがなんでもルールを守らせる人はロジックで動くことが多いでしょう。

別の言葉で言うのなら、「ロジカルシンキング」だけで、すべてをまかなおうとするのが野暮天で、
状況によって柔軟に「ラテラルシンキング」とを使い分けられるなら粋ということです。

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ディズニーランドでは・・・

マニュアルの限界を知っているディズニーランドなどでは、マニュアルは作り込みません。
かわりに指導者(この人もアルバイト)が、新人アルバイトの行動を見守ります。
良い行動(ディズニーウェイという考え方に沿っている)をしたら指導者が評価します。
これが311の震災の時に大きな力を発揮しました。

あるキャストは、誰にも指示を受けないのに、販売しているお菓子を非常食として配ったり、
他のキャストは梱包材のプチプチや段ボールを防寒用として配ったり。

夢の国ならではの「粋」な計らいじゃないですか。

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要するにロジカルもラテラルもバランスなのです。
ちょうど今の季節で言うなら、「良い塩梅」で使うと「粋」なのです。

マニュアル読むときには「作った人は、なぜ、こういうルールにしたのだろう?」
という素朴な疑問によって、ラテラルシンキングは鍛えられます。

今回は、マニュアルは必要にしてもマニュアルを超える「そもそも何が目的?」を考えられると「粋になる」という話でした。

ラテラルシンキング研修についてはこちら
http://www.soeiken.net/News/view/1/3

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